学問のすゝめ

【感想】福澤諭吉著『学問のすすめ』初編【愚かな人間どもは更生せよ】

『学問のすゝめ』初編の感想です。
この記事は、拝金主義をボロクソ言っているので、「人生お金がすべて」と思っている人は絶対に読まないでください。

 

学問のすすめは全17編あり、本記事は1編の要点・感想を述べたものです。

初編の要点はただ一つ、「日本の独立と平和を、学習による個人の自立で守ること」です。
感想は、いまだに学問のすすめは機能する(機能してしまう)、十分に読み解くべき理由がある、そんなことをつらつらと書き連ねています。

それでは少しの間、お付き合いくださいませ。

 

『学問のすゝめ』初編の結論は「日本の平和を守ること」

初編の結論は、「日本の平和を守ろう」です。

互いにその所を得てともに全国の太平を護らんとするの一事のみ。今余輩の勧むる学問ももっぱらこの一事をもって趣旨とせり。

 

「お互いに“その所”を心得て、日本の平和を守ろう。私があなたに学問を勧める理由はこれだけなんだ。」
と福澤先生は仰っています。

日本の平和を守るために、学問が必要なんだ、ということですね。

 

なぜ「平和」と「学問」が関係するのか。
“その所”に答えが示されています。

少し長いですが、頑張りましょう。

人誰か苛政を好みて良政を悪む者あらん、誰か本国の富強を祈らざる者あらん、誰か外国の侮りを甘んずる者あらん、これすなわち人たる者の常の情なり。
今の世に生まれ報国の心あらん者は、必ずしも身を苦しめ思いを焦がすほどの心配あるにあらず。
ただその大切なる目当ては、この人情に基づきてまず一身の行いを正し、厚く学に志し、博く事を知り、
銘々の身分に相応すべきほどの智徳を備えて、政府はその政を施すに易く、諸民はその支配を受けて苦しみなきよう、互いにその所を得てともに全国の太平を護らんとするの一事のみ。

 

だれが過酷な政治を好んで素晴らしい政治を憎むだろうか、
だれが日本の強く豊かなことを祈らないだろうか、
だれが外国から軽蔑されていることを満足するだろうか、
そんなことを思う人はいないでしょう。

今、日本のことを好きな人は安心してください。
ただ大切なことがあります。
正直に行動して、色んなことを勉強すると決めて、様々なことを知って、あなたが必要な能力を磨きましょう
国が政治をきちんとできるようにしましょう。国民が幸せに生活できるようにしましょう。
みんなそのことを心得て、日本の平和を守りましょう。

 

「勉強して、能力を身につければ、政治も国民生活も正しく豊かに回る」

これこそが、福澤先生が学問を日本人に強く勧めた目的です。

 

日本の太平を植民地主義から守る

福澤先生は当時、遣欧使節団に同行してヨーロッパに向かう際、香港に立ち寄りました。
そこで大変な衝撃を受けます。

イギリス人が中国人に対して犬猫同然の扱いをしていたからです。
現在、犬や猫はペットとして愛されていますので、この表現は伝わりにくいと思います。

イギリス人は、中国人に対して家畜を扱うが如く接していたのです。
当時のイギリス人と中国人は同じ人間ではなかったのです。

主人と奴隷。
それが植民地主義の実態だったのです。

 

福澤先生はその経験から、日本国の独立を何としても守らないといけないと強く確信されました。

『学問のすゝめ』初編だけでも、国家の独立が何度も語られています。

銘々の家業を営み、身も独立し、家も独立し、天下国家も独立すべきなり。

自由独立のことは人の一身にあるのみならず、一国の上にもあることなり。

国の恥辱とありては日本国中の人民一人も残らず命を棄てて国の威光を落とさざるこそ、一国の自由独立と申すべきなり。

外は万国の公法をもって外国に交わり、内は人民に自由独立の趣旨を示し

 

決して日本人を西洋人の家畜にしてはいけない。
その頑強な意思で、学ぶことの重要性を私たち日本人に強く訴えました。

 

『学問のすゝめ』初編【感想】

非常に残念なことですが、『学問のすゝめ』は今でも日本人が読むべき良書です。
これは残念なことです。

「昔は植民地主義があって大変だったんだなあ」
私もそんな感想を書きたいです。

「そんな時代が終わってよかった。一安心、幸せだ。」
と言いたいです。

しかし、現実の世界では植民地主義が終わっていません。
「植民地主義」が、「経済的植民地主義」に変わっただけです。

 

分かりやすいのは、アフリカの経済発展が遅すぎる理由です。
アフリカの指導者たちは、旧宗主国などと軍事同盟を結び、経済援助という名の借金漬け外交を受け入れ、実質的に国民主権を放棄しました。

アフリカ諸国は、インフラ整備のためIMFや世界銀行からお金を借ります。
そして、利子が膨大に膨れ上がり、返済のため税金を上げたり、社会保障費を削ったりします。
国民が懸命に働けど、その生み出した利益は“返済という名目で”国外に流出していくだけです。

 

指導者が悪い云々よりも、情報量が少なかったりして自立できなかった人間は、判断力がないので権力者から言われるがままです。

そして、これは思想戦でもあります
新自由主義の「金がすべて」という価値観に染まった瞬間、権力者は国を売ります

 

世界的巨大権力は、「一国の権力者」から「国の富」を売ってもらった方が儲かります。
莫大な利益を生み出すシステムは、すでに完成しているからです。

「一国の権力者」は、世界的巨大権力に「国の富」を売った方が儲かります。
WINWINですね。権力者同士お互いが得をします。損するのは国民だけです。

これが今の世界の現実です。

 

【感想】『学問のすすめ』初編【まとめ】

日本国は、古来より「和を以て貴しとなす」と、相互扶助、助け合いの精神を大切にしてきました。
経済の本質はここにあります。

数値で表すことのできない「素晴らしい人間の関係性」です。
人間同士のコミュニケーション、価値の相互提供こそが経済なのです。経世済民です。

 

その数値で表すことのできない尊いものを、数値化してみたものが貨幣です。

いままで感覚でやっていたものを、数値で簡単に表せるのだからとても便利ですね。
気遣いや優しさなどの人間関係を、すべて数値化したのです。

 

するとどうなったでしょう。

人類はその便利さに完全にやられました。

「金があったらそれでいい」そんな態度です。

大変な堕落です。
何のために聖徳太子が「和を以て貴しとなす」と日本人のルールを決めたのか。

 

古代の人間が心から大切にしてきたものを、次々と破壊してしまっています。
血も涙もありません。金のために全てを破壊し尽くすのみです。

モノがいくら豊かになろうが、
まるでたくさんのおもちゃに囲まれたガキです。

今こそ日本人の魂を呼び覚まさなければなりません。
日本人の精神は埋もれすぎています。
学習して学習して学習しないと、本当に大切なことが分からない段階になっています。

 

それでも、必ずや日本の魂は復活します。
ひのもとの島国が世界を指導するときが来ます。

核爆弾をおもちゃにした愚かな人間どもが更生するときが来るのです。