学問のすゝめ

【要約】福沢諭吉著『学問のすすめ』二編・現代語訳

福澤諭吉著『学問のすゝめ』二編の要約です。
本書は、初編から17編まであり、本記事は、その2編の意訳要約となります。
10分程度で読めます。時間が無い場合は、目次だけ読んでください。

 

【学問の目的は自分の役目を明らかにすること】

学問には色々ありますが、大切なのは、知識を増やして、物事の道理をわきまえ、自分の役目を明らかにすることです。
知識の獲得のためには、人の話を聞き、自分で工夫をこらし、本も読まなければいけません。

 

しかし、文字を読むだけが学問ではありません。文字は学問の道具です。
槌や鋸などの道具だけを知っていても、実際に家を建てられるわけではないでしょう。

家庭を営むのも学問、簿記をするのも学問、トレンドを察するのも学問です
文字を読んでも実際にできないのは、「文字の問屋」に過ぎません。全くもって無用の長物です。

 

本書のタイトルは『学問のすすめ』ですが、文字を読むだけが学問ではありません。
この本は、学問の目的として大切なことを、西洋の書物から翻訳したものです。

 

【人は同等なること】

初編において「天は人の上に人を造らず、人間は自由自在」と言いました。
人が生まれるのは、人の力ではなく天の働きでしょう
人はみんな同じ天の下に生きるからこそ、お互いを親しんでお互いを助け合えます

 

「人の有様は不平等・権理は平等」

しかし今、人と人は平等かといえば、平等でないとしか言えないでしょう。
この平等は、人の有様の平等ではありません。
権理(=権利)の平等のことです。

状態は色々あるでしょう。お金持ちもいて貧乏人もいます。雲と泥のような差です。
しかし、人間の権理は、同等であるべきです。
この権理とは、命を重んじる権理、財産を守る権理、体裁を大切にする権理です。

天は人を生まれさせて、心身の働きを与えているのですから、これら人間の権理は誰も邪魔をしてはいけません。
お金持ちも貧乏人も、命の重さは全く同等です。
人によって有様は違うことがありますが、権理に違いはありません。

 

「富強による他者への妨害は害である」

お金を持っている強い人などが、お金のない弱い人などをイジめるのは、権理を邪魔しているということです
これは力士が一般人の腕を折るようなもので、とても迷惑なものです。

昔の時代では、偉い人がやたらと権力をつかって、目下の人を乱暴に扱っていたでしょう。
これまで政府と国民の間では、もっと見苦しいこともありました。
政府と国民の関係は、強弱の有様が違うだけで、権理の違いがあるわけではありません。

 

人が物を売買して、世の中を便利にする、これが国民の商売です。
政府が法律を決めて、悪人を制御して善人を守る、これが政府の商売です。

この政府の商売には、とても大きなお金が必要なため、国民がお金を出して国の財源とすることを、お互いの意思で決定しました。
これが政府と国民の約束事です。

【政府と国民の権理は同位同等】

国民の役目は、税金を払うことと法律を守ることです。
政府の役目、税金をきちんと使うことと国民を守ることです。

お互いがお互いのすべきことを全うすれば、お互いの権理は力強く、その邪魔をする道理はありません。

 

「政府と国民の権理は同位同等」

政府のことを「お上」などと言い、その権力によって自分勝手に振る舞うことなど論外です。
国民が十分に仕事をして、犯罪の心配もなく生活できるようにするのは、政府の役目なので当たり前です。
政府の権力を悪いように使うのは、国民の権理を邪魔することになります。
権理はみんな同等ということを忘れてはいけません。

また、国民もきちんと法律を守る必要があります。
たとえ自分に不都合なものでも、その法律が変わるまでは守りましょう。それが国民の役目です。

 

「勉強しない馬鹿者は暴政を生み出す」

それなのに、勉強もせず、道理も知らず、そのくせ欲深く、人を騙す馬鹿者もいます。
こんな馬鹿者は、道理が通用しないので、力でおさめるしかありません。

これこそが政府が暴走する原因です。
政府の暴走は、必ずしも暴君のせいではありません。
実際は、国民に知恵がないことが、政府の暴走を引き起こしているのです。
どんなに偉大な人間でも、馬鹿者は手に負えないのです。

ですから、政府の暴走を起こさないためには、今すぐ学問を志し、才能や人徳を高めて、政府と同等の地位にある人物となってください。
これが私が学問をすすめる大きな理由です。